あなたのお店では、クーポン券を活用していますか?
活用しているのであれば、どれくらいの割合でお客様に利用されていますか?
つまり、クーポン券の戻り率は何%くらいですか?
クーポン券を100人の人に配って、1人が利用すれば、クーポン券の戻り率は1%ということになります。
クーポン券を100人の人に配って、10人が利用すれば、クーポン券の戻り率は10%ということになります。
この「クーポン券の戻り率」が高ければ高いほど、来店や購入客が増えるので、売上げアップが実現しやすくなります。
そこで、驚異的な戻り率を実現しているクーポン券の成功事例をいくつか紹介します。
日本料理店のお米付きクーポン券
まず1つ目は、ある日本料理店が実施したお米付きクーポン券です。
その原理は、いたってシンプル。
厚めの紙で印刷したクーポン券に、「お米」を貼り付けて配布するクーポン券です。
お米は日本料理店のイメージに合いますし、何より食べ物を大切に扱う日本人にとっては、そこにお米が貼り付けられているだけで捨てにくい感情が芽生えます。
「捨てにくい」ということは、クーポン券を保管する人が増えることにつながります。
クーポン券の保存率が高まれば、使用する人が増えるのは当然ですよね。
人はなぜ広告を捨てるのか?
ここで、お客様視点で考えてみましょう。
人はなぜ「チラシやフリーペーパーなどの広告物」を簡単に捨てるのでしょうか?
チラシやフリーペーパーにはたくさんのクーポン券(お得な要素)が掲載されているにも関わらず。
チラシやフリーペーパーに掲載されているクーポン券に魅力がないから捨てるのでしょうか?
ここで別のシーンをイメージしてみてください。
あなたの目の前に、「30%OFFのクーポン券」と「50%OFFのクーポン券」があるとします。
当然「50%OFFのクーポン券」のほうがより魅力的ではありますが、だからといって「50%OFFのクーポン券」なら必ず保管しますか?
極端な話、広告物を捨てる人は「50%OFFのクーポン券」でも「90%OFFのクーポン券」でも捨てます。
つまり、そこに記載された割引率に問題があるのではなく、そもそも「広告=不要なもの」と認識している人が多いのです。
だから、そこにどのような内容が記されてあったとしても、捨てられてしまうのです。
しかし、クーポン券にお米が貼り付けられていたらどうでしょう?
割引率が低くても、お米があるから捨てにくい。
↓
だから、保管してしまう。
↓
その結果、使う人の数が必然的に増えていく。
つまり、クーポン券の戻り率を高めるコツは、クーポン券の保管率を高めることだったのです。
日本料理店のお米付きクーポン券は、人間心理をうまく活用した成功事例といえますね。
小売店の5円玉付き会員カード
同様の事例は他にもあります。
ある小売店では捨てられない会員カードを配布して、リピート客を増やすことに成功しています。
その会員カードとは、5円玉付き会員カードです。
厚紙の会員カードと5円玉を重ね合わせ、パウチして作成した手作りカードです。
基本的な考え方は「お米付きクーポン券」と同じですね。
カードに5円玉が貼り付けられているから、捨てにくい。
すると、保管率が高まるから、リピート客が増えていく。
会員カードでも保管率が重要なのです。
ちなみに、その会員カードには「いつも素敵な出会い(ご縁)がありますように」というメッセージが印字されています。
このメッセージを記すことで、5円玉を貼り付ける意味が生まれると共に、お客様の喜びにつながるのです。
「お米付きクーポン券」も「5円玉付き会員カード」も作成するための手間と経費はかかりますが、格段に反応率が上がるのでは間違いありません。
保存率が高まると使用率が高まっていく
広告の反応が低い場合、「それならば、もっと魅力的なオファーを提示しよう!」と、どんどん利益を下げていく店が少なくありませんが、これでは根本的な問題解決には至りませんし、どんどん利益が減っていくので経営が苦しくなっていきます。
それよりも、広告に捨てにくい要素を付加し、1つ1つの広告の価値を高める工夫をしてみませんか?
「30%OFF」でも「50%OFF」でも、そこに大きな「差」はありません。
もちろん、「50%OFF」のほうがインパクトがあるので反応率は高くなると思いますが、その分利益も減ってしまいます。
それよりも、捨てにくい要素を加えることで保存率を高める。
保存率が高まると、当然使用率が高まっていく。
小さなテクニックではありますが、今以上の反応を得られる可能性は大きいと思います。
※「回数券で売上げアップ①」については次の記事で紹介しています。
注意ポイント
その際、注意すべきポイントは「理由」を提示すること。
日本料理店だからお米。
素敵な出会い(ご縁)を願うから5円玉。
そんな明確な理由を打ち出すことができれば、お客にとっても好印象となるでしょう。
ぜひチャレンジしてみてください。