あなたのお店では、香りを重要視していますか?
例えば、焼き鳥屋さんの前を通った時に焼き鳥の美味しそうな香りが漂ってきたり、パン屋さんの前を通った時に焼き立てパンの香ばしい香りが漂ってきて、その香りに誘われてつい入店してしまったり、商品を購入した経験はありませんか?
実際、この「香り」を活用して売上げアップを実現しているお店は少なくありません。
しかも、「香り」を導入したその日からすぐに来店客が増えたという事例もあるほどです。
それほど、消費者にとって「香り」は魅力的な要素なのです。
「嗅覚」は生物が生きる上でとても重要なもの
なぜ、人はそれほど「香り」に惹きつけられるのでしょうか?
それは、私たち人類の発達の歴史に起因しています。
私たちには五感がありますよね。
その発達の順番は以下の通りです。
①触覚 ②嗅覚 ③味覚 ④聴覚 ⑤視覚
原始的な生物には「触覚」しかなく、高等な生物になるにつれて、残りの感覚を獲得していきました。
中でも嗅覚は生物が生きる上でとても重要なものでした。
生存し続けるためには食べ物を食べなければいけません。
しかし、腐った食べ物を食べてしまうと、病気をしたり、死んでしまいう可能性もあります。
だから、生物は生き残るために最初の段階で「嗅覚」を発達させたのです。
その証拠に、香りやにおいは大脳辺縁系といわれる古い脳に直接届きます。
その後、その古い脳を覆うように新しい皮質(=大脳新皮質)が生まれました。
この新しい皮質のおかげで、私たち人間は論理的思考ができるようになりました。
そこで発達していったのが「視覚」「聴覚」「味覚」です。
ちなみに、「視覚」「聴覚」「味覚」は大脳新皮質を通じて間接的に脳に伝わります。
「視覚」「聴覚」「味覚」は私たちの脳に間接的に伝わるけれど、「嗅覚」は原始的な古い能力なので脳に直接伝わります。
つまり、「嗅覚」は脳に一番ダイレクトに情報を伝達する力があるということです。
「香り」は広告に適した素材
また、「香り」は記憶に残りやすいメリットもあります。
ある田舎町に行った時、「おばあちゃんの家に似た懐かしい香りがする」という経験はありませんか?
また、あるレストランに行った時、「ハワイの香りがする」とワクワクした経験はありませんか?
文字や音声情報はかなり早いスピードで忘れていくのですが、香りは脳の構造上、長期的に記憶してしまうのです。
(記憶しようと努力することなく、勝手に記憶されてしまうのです)
つまり、「香り」は脳にダイレクトに伝わり、記憶されやすい。
これほど「広告」に適した素材はないのではないでしょうか?
人はどのような時に買い物をするのでしょうか?
それは、感情が動いた時です。
その商品を買うことで得られるであろう明るい未来が見えた時、ワクワク感が高まりますよね。
そのワクワク感を感じたら購入を決意します。
「香り」も感情を動かしてくれます。
冒頭で紹介した焼き鳥屋さんやパン屋さんが売れるのは、「美味しそう!」と感情が動くからです。
これは、人間の構造上当然の結果なのです。
※「誰も祝ってくれない記念日DM」については次の記事で紹介しています。
「香り」はお客様のリピート率も向上させる!
また、「香り」にはお客様のリピート率を上げる効果もあります。
店舗運営において「イメージ」は大切な要素ですよね。
代表的なものに、お店のロゴマークやテーマカラーなどがあります。
お店のテーマカラーをピンク色に統一すると、お客様は「かわいらしいお店」という印象を抱きます。
お店のテーマカラーを黒色に統一すると、お客様は「高級感があるお店」という印象を抱きます。
代表的なカラーが持つ意味をまとめましたので、参考にしてください。
色 | 色が持つ意味 |
赤色のイメージ | 熱い・強い・危険・派手・情熱的・明るい・活動的・興奮・エネルギー |
ピンク色のイメージ | かわいい・やさしい・甘い・若い・幸せ・ロマンチック・意地悪・女らしい・優美 |
オレンジ色のイメージ | 暖かい・明るい・元気・健康的・かわいい・楽しい・親しみやすい・安っぽい |
茶色のイメージ | 自然・落ち着いた・堅実・古い・安心・堅い・地味・保守的・マイルド・渋い・おとなしい |
黄色のイメージ | 希望・喜び・暖かさ・明朗・幸福・躍動・賑やか・幼稚・注意・軽率・騒がしい |
緑色のイメージ | 自然・安らぎ・落ち着き・癒やし・若さ・爽やか・新鮮・安全・平和・健康・公平・平凡 |
青色のイメージ | 冷たい・冷静・神秘的・孤独・静か・知的・爽やか・信頼・自由・平和・誠実・憂鬱 |
紫色のイメージ | 高貴・高級・神秘的・正式・不思議・優しさ・女性的・和風・大人・古典的 |
白色のイメージ | 純粋・神聖・清潔・無垢・明るい・平和・自由・善・潔白・無・緊張・未来 |
灰色のイメージ | 曖昧・陰気・不安・落ち着き・控えめ・汚れた・疑惑・不正・悲しみ・シック |
黒色のイメージ | 強さ・恐怖・孤独・反抗・暗さ・クール・威圧的・邪悪・不吉・悲しき・高級感・シック |
カラーに統一感を持たせるだけで、お店の印象は格段に高まるのです。
そこに「香り」を加えてみてください。
あなたのお店に合ったプラスイメージの香りを。
あなたのお店の印象が向上するのはもちろん、長期的に記憶してもらいやすくなるのは間違いありません。
つまり、リピート率が上がるということです。
まとめ
世の中のほとんどのお店が「香り」を意識していません。
だからこそ、「香り」でお客様を魅了しませんか?
ライバル店に勝つチャンスが得られると共に、来店客やリピート客が増える原動力となりかもしれませんよ!