「次回予約が当たり前」の美容室の作り方

商売繁盛!成功物語

お客様をお断りする悩み

知人の美容室の話です。
常に3ヶ月先まで予約で埋まっている繁盛美容室の成功事例をお話しします。
美容室のオーナーMさんは、ある状況に悩んでいました。
その悩みとは、「忙しい日」と「忙しくない日」が存在するということです。
経営には波がありますから、ほとんどの経営者がこれを悩みと捉えていませんが、Mさんはここに違和感を感じていました。

例えば、いつもご利用いただいているお客様から予約電話がかかってきたとします。
「明日、予約できますか?」
その日が空いていれば問題ないのですが、予約が埋まっている場合はお断りするか、日程を調整しなければいけません。
「明日はいっぱいなので、明後日はいかがですか?」というふうに。
そこで、お客様が「明後日」でOKなら問題ないのですが、「明後日」が都合が悪い場合は、来店してくれないという最悪の状況に陥るわけです。
長い間ご利用いただいている大切なお客様をお断りすることに、Mさんは大きな悩みを抱えていたのです。

キャンセルや日程変更OKの仮予約を受け付ける

そこで考えました。
「いつもご利用いただいているお客様だからこそ、優先的に対応しなければいけない」
そこで出した結論が、お帰りの際に仮予約を取ることです。
一般女性の美容室への来店周期は2~3ヶ月に1回なので、2~3ヶ月先の予約を受け付けるのです。
しかし、お客様にとって2~3ヶ月先のことはイメージできません。
もしかしたら都合が悪くなるかもしれません。
そこで、「仮予約」としたのです。
仮予約だからキャンセルや日程変更も可能と説明しました。
さらに、「仮予約」を受けつける際には、必ずこう言うようにしました。
「大切なお客様ですので、優先的に時間を確保したいと思いまして」
これを繰り返すうちに、お店の予約状況はみるみる「予約」で埋まっていきました。

ちなみに、「仮予約」をした後にキャンセルや日程変更を希望するお客様はほとんど現れないそうです。
人は先にスケジュールが決まると、その他の用件はそれ以外の日で調整するからです。
お客様のために考えたことが、結果的に「次回の来店」を確約するというリピート率アップにもつながっていったのです。

そして、完全予約制のお店へ

さらに、状況は好転します。
「仮予約」は店内で受け付けるので、その話し声を聞いていた他のお客様も「仮予約」を入れるようになっていきました。
これで、さらに「予約」の数が増えていきました。
そこで、Mさんはある決断をします。
完全予約のお店にすることを。
「今日」がいくら暇でも、全て「明日」以降に受け付ける完全予約制にすることを決意しました。
しかし、そのような状況でも当日予約の電話はかかってきます。
「今日予約できますか?」
今まではそのような電話がかかってきたら無理をしてでも受け入れていましたが、完全予約を決意したMさんは当日予約の電話に対して毅然とした対応をすることにしました。
「明日まで全て予約で埋まっていますので、木曜日以降の予約しかお取りできませんが、いかがでしょうか?」
すると、それまで当日予約が当たり前であったお客様が、次回からはしっかりと「仮予約」を入れてくれるようになりました。
さらに、この方針はクチコミが生まれるきっかけにもなりました。
「あのお店は人気があるので、当日予約は難しいらしい」というクチコミです。
やがて、美容室Mは完全予約制のお店に変化することができ、日々の忙しさは平準化されました。
また、この施策により、お客様のリピート率が上がると共に失客率が減ったので、お店の売上げ・利益も増えていきました。



完全予約制が定着するまでの期間は約半年間

ここに至るまでには約半年間かかりました。
つまり、お客様を教育するまでにかかった期間が約半年間であったということです。
この半年間は「本当にこのやり方で正しいのだろうか?」と不安を抱く辛い期間ではありましたが、今では常に3ヶ月先までほぼ予約で埋まっている好状況を作り出すことに成功しました。
最近は、「大切なお客様ですので、優先的に時間を確保したいと思いまして」という台詞を言うことも少なくなっています。
「次のご来店日はいつにしましょうか?」というふうに、「次回予約」が当たり前になっているのです。

すぐにでも導入できる運営方法

Mさんは言います。
「よほど技術力がないお店なら別ですが、今現在お客様にご満足いただいているお店なら、すぐにでも導入できる運営方法です」
飲食店の場合は、1人のお客様が短期間に複数のお店に行くかもしれませんが、美容室の場合はほとんどの場合「あなたのお店」にしか行きません。
お客様にとっては、あなたのお店が全てなのです。
そこで、あなたのお店が「完全予約制のお店」になれば、それに従うしかありません。
「従う」というと、ややマイナスイメージに聞こえるかもしれませんが、こうすることで1人1人のお客様としっかり向き合うことができるし、お店の業績も上がります。

また、次回予約が習慣になると、お客様にほとんど抵抗感を感じなくなります。
そして、実際にこの方法で成功しているお店が最近増えています。
あなたもチャレンジしてみませんか?

「美容室 絶対するべき!7つの集客法」については次の記事で紹介しています。