新規集客する前に考えるべきこと

商売繁盛を実現する考え方

「新規集客しなければならない人数」を明確にしよう

集客活動をする場合、最初に設定(理解)すべき数値があります。
それは、新規集客しなければならない人数です。
例えば、スポーツジムの場合、まず最初に毎月の売上げ目標を明確にしましょう。
月500万円という売上げ目標があり、平均の客単価が1万円である場合、つい「500人の新会員が必要だ!」と考える経営者が少なくありません。
もちろん、オープン時はこの考え方で正解ですが、長年経営を行なっており、長年通い続けてくれる会員が450人いる場合、本当に新規集客すべき人数は50人でいいわけですよね?
今現在450人の会員がいて、さらに新会員が500人押し寄せたら、トータルで950人になり、ジムには入り切れなくなってしまいます。
しっかりとした経営とサービスを提供していれば、ほとんどの会社・お店にはファン客がいるわけで、これを差し引いて考えると「本当に新規集客しなければならない人数」はそれほど多くないことに気づきます。
「新規集客しなければならない人数」がそれほど多くないということは、新規集客において過剰なサービス提供は必要ないということです。

「理想と現実を理解して経営する重要性」については次の記事で紹介しています。

目標数値を明確にするとその目標を達成する方法が明確になる

もし、あなたが親の会社を引き継ぐ場合、実はその会社には10億円の借金があることがわかりました。
あなたはどのようにして10億円の借金を返済しますか?
10億円は普通に働いていても返済できる金額ではありません。
10億円を返済するためには常識外の発想が必要です。
例えば、さらに5億円を借りてホテルを建設し、そこから借金を返済していくなど、根本的に大掛かりなことをしないと10億円の返済は難しいでしょう。
一方、家族が100万円の借金をした場合はどうですか?
毎月の無駄遣いをやめて毎月5万円ずつ返済をしてもいいですし、一定期間アルバイトをして返済する方法もあります。
100万円の返済のためにホテルを建設するという発想は出てきませんよね。
このように、目標数値が明確になるとその目標を達成するための方法が明確になります。

新規集客でも同じです。
500人集客しなければならないのであれば、ある程度大掛かりな販売促進を行なわなければいけませんが、50人程度の集客であれば、それほど過剰な販売促進をする必要はありません。
たった50人程度の集客であれば、毎月通っている450人のお客様に対して「紹介キャンペーン」を行なえば、あっという間に50人集まるかもしれません。
「450人もの会員さんが毎月通っていただいている」という事実をチラシなどで淡々と打ち出せば、そこに魅力を感じて初来店してくれるかもしれません。
実は、ほとんどの会社・お店では新規客はそれほど必要ないのです。
だからこそ、まず最初に「新規集客しなければならない人数」を明確にして、これを達成する方法を考えましょう。
少人数の新規集客はそんなに難しいことではありません。



本当に新規集客をするべき? も考えよう

また、本当に新規集客をするべきなのか? についてもしっかり考えるようにしてください。
あなたの最終目標は何ですか?
それは客数ではなく、売上げ・利益であるはずです。
それならば、先ほどの平均客単価1万円のスポーツジムの場合、単価を1,200円値上げして、11,200円にすれば500万円を達成します。

50人の新規集客さえ必要ないのです。

あるレストランでは、一般的な経営スタイルではなかなか利益が得られないことに気づき、1日2組しかお客様をとらないスタイルに変えました。
昼に1組、夜に1組です。
もちろん、丁寧な接客を行なう高級レストランへの変貌です。
そうすることにより、以前よりも少ないスタッフ数で経営できるようになり、利益額も大幅に上がったそうです。

このように、経営における真の目標を明確にすれば、そこからやるべきことが見えてきます。
やみくもに新規集客をするのではなく、まず最初に目標を明確にしましょう。
それが全てのスタートです。