断れないご来場記念品
商店街を歩いていると、店内にはほとんどお客様がいない呉服店があることに気づきませんか？
そんなお店の様子を見て、「なぜ商売が成り立つのだろう？」と感じたことはありませんか？
実は、呉服業界では1ヶ月の中で3日間くらいの催事やイベントを行ない、この3日間だけで1ヶ月分のほとんど全ての売上げをつくっているお店が多いのです。
だから、催事やイベントで失敗は許されません。
そこで、用意周到な仕掛けを準備するのです。
なかでも高い反応を示すのが、来場記念品です。
既存客に対して「イベント会場にお越しいただいたら、記念品をご用意しています」とアプローチするのです。
この呉服業界の来場記念品は、ただの記念品ではありません。
メロンやカニ、野菜などの食材を用意することが多いですね。
イベント開催時には、顧客にごDMを送付してイベントの案内をすると共に、販売スタッフが顧客に電話をかけます。
「○○様のためにメロンをご用意しております」
すると、ほとんどのお客様が「そんな立派なものはいらないわ」と答えるそうです。
そこで、販売スタッフがこう言います。
「生ものなので、置いていたら腐ってしまうので、もったないから是非受け取ってほしい」
すると、ほとんどのお客様が「腐って捨てるくらいなら、いただきに行きますね」と答えるそうです。
なぜ、ご来場記念品に「食材」を選ぶと思いますか？
そう。食材は腐れるから。
腐れると捨てられる。
お客様の心の中にもったいない心情が芽生えるため、イベント会場へ足を運ぶお客様が増えるのです。
まさに、断れないご来場記念品で集客をしているのです。
お客様のために用意した記念品
一般的なイベントでも「ご来場記念品」はよく見かける手法ですが、そこでもらえる記念品の多くが価値が低いものばかりです。
これでは来場する意欲が高まりません。
しかし、呉服業界の考え方を応用すると、いくらでもアイデアが生まれてきます。
例えば、お客様のために用意した記念品として、お客様の名前をエッチングしたグラスを用意したり、お客様の名前を字画で診断し、その診断結果を用意するサービスも考えられます。
お客様が「私のためにそこまで用意してくれたの！」と感じていただければ、来場する割合は格段に増えるはずです。
万が一、来場しなかったら？
その場合は、イベント後にグラスや診断結果を送付すればいいのです。
顧客サービスとして、かなり喜ばれる施策になると思います。
お客様を表彰するアイデア
また、お客様を表彰するアイデアもあります。
「スタッフが選んだ、笑顔サイコー賞」や「素敵なファミリー賞」「おしゃれなビジネスマン賞」など、賞の内容は何でも構いません。
表彰される機会は滅多にありませんから、来場動機につながりやすくなります。
ちなみに、お客様を表彰するときには、なるべく本物の表彰状を用意するようにしてください。
インターネット上では、表彰状の雛形データを無料でダウンロードすることができます。
「表彰状 テンプレート 無料」などで検索してみてください。
表彰状の用紙は、文房具店やインターネット上で手に入れることができます。
（最近は100円ショップなどでも販売されています）
OB客を利用したイベント
OB客を利用したイベントも効果的ですね。
例えば、住宅販売店であれば、過去にその会社から住宅を購入したOB客をイベントに招待し、来場者（新しい見込み客）との質疑応答コーナーを設けるのです。
高額商品であればあるほど、商品購入時にためらいが生じます。
販売者がいくら良いことを言っていても、その全てを信じることはできません。
そこで、OB客です。
OB客は同じ立場の人だから信用できます。
販売スタッフにはなかなか聞けない質問事項も、OB客にはためらうことなく質問できるメリットもあります。
事前にお客様の悩みや質問を聞き出しておいて、イベント時にOB客が回答する、という形も良いですね。
これも来場者アップの1つのアイデアといえますね。
※「大規模イベントと小規模イベントを使い分ける」については次の記事で紹介しています。
まとめ
今の時代、何の工夫もないイベントでは高い集客を実現することは難しいでしょう。
しかし、お客様ひとりひとりを意識した施策を用意することができれば、イベントの集客アップを実現することはそれほど難しいことではありません。
是非あなたのお店でも断れないご来場記念品を用意して、お店の売上げアップにチャレンジしてみてください！