「わかりやすい商品」を作って売上げアップ!

商売繁盛を実現する考え方

販促活動を行なう際に必ず意識していただきたいことがあります。
それは、わかりやすい商品をつくること。
当たり前と感じるかもしれませんが、世の中には意外とわかりにくい商品が多いでようです。
だから、売れない。
そこで今回は、「わかりやすい商品」を作って売上げアップが実現した成功事例を紹介します。

わかりやすい料金設定で大ヒット!

ある住宅リフォーム会社では、様々なリフォーム商品を「安心パック価格」として打ち出して人気を集めています。
「安心パック価格」とは、長さ1メートル単位で一律料金化したわかりやすい工事サービスです。
店頭にはリフォーム商材が並び、わざわざスタッフに質問をしなくても、おおよその費用が把握できます。
ちなみに、一般的なリフォーム会社では、取り扱う商材によって材料費が異なるため、リフォーム費用を知るためには、お店のスタッフに相談して、見積りをお願いする必要があります。
ここまでの経緯が、消費者にとっては手間(=ストレス)と感じますし、一度問い合わせるとその後しつこく営業されることになり、なかなか気軽に相談することができません。
しかし、「安心パック価格」は、わざわざスタッフに問い合わせることなく、店頭でおおよその費用を理解することができます。
リフォーム工事を行なう際、複数の会社の見積りを比較検討する消費者が多いのですが、このようなわかりやすい料金設定をしていると、比較検討の場面で選ばれる可能性がかなり高くなるはずです。
その結果、同社の売上げは右肩上がりで上がっているそうです。

しかし、このサービスの「パック化」には苦労もありました。
「長さ」による一律料金を設定するためには、あらゆる材料の価格の見直しが必要となります。
社長は協力会社に打診して、パック化のメリットを説明する日々を繰り返しました。
なかには「利益が減る」と戸惑う業者もありましたが、その分成約率が上がると説得し、ようやく事業をスタートさせることができたそうです。
苦労の末に生み出された「安心パック価格」が、今消費者を魅了しているのです。



「わかりにくい商品」は購入しづらい

実際、世の中にはわかりにくい商品が少なくありません。
特に、価格面においては複雑なものが多いですね。
しかし、その業界では今までそれが当たり前だったので(業界の慣習)、そこに疑問を持つ人はいなかったのでしょう。
しかし、それは販売者の勝手な理屈です。
消費者にとっては、「わかりにくい商品」ほど購入しづらいものはありません。
だから、売れないのです。

わかりやすいシール商品が大ヒット!

印刷物もわかりにくい商品の1つですね。
なかでもシール印刷は非常にわかりにくい商品といえます。
それをわかりやすく提示したインターネット印刷会社の事例があるので紹介します。
50×60ミリサイズのシールであれば、500枚で990円で注文することができます。
とてもわかりやすくて、魅力的な価格設定といえます。
しかし、実は「シール印刷」には様々な選択肢があります。
・紙質
・サイズ・形
・のりの強度
・PP加工(表面をコーティングする加工)
・角丸加工・箔押し加工
など、選択肢を挙げればキリがありません。
他社サイトでは、それらを1つ1つ指定しないと見積りが表示されないし、いろいろな加工を付加していくと、かなり割高な価格になってしまいます。
しかし、この印刷会社は紙質を統一し、サイズをパターン化し、PP加工も「あり・なし」の2つのみに絞りました。
非常にシンプルなわかりやすい商品をつくったのです。
そもそも私たち消費者は、ミリ単位で細かい設定しなければならないシールを望んでいません。
それよりも、いくつかのパターンの中から選ぶほうがラクです。
また、この印刷会社では、紙質やサイズを統一することで複数の案件をまとめて印刷し、大幅なコストダウンに成功しています。
「わかりやすい商品をつくる」という発想から生まれた商品が、大幅な利益アップにも貢献したのです。

全て100%オーダーメイドを望んでいない

これはシール印刷に限った話ではありません。
人は、希望する商品の全てを100%オーダーメイドでつくることを望んではいません。
消費者は、細かい指定をすればするほど価格が高くなることを知っていますし、希望の7~8割程度を満たすものであれば十分満足できるのです。
また、自分の希望が具現化していない消費者はかなり多いので、販売者側で複数の「わかりやすい商品」を提示してあげたほうが格段に売れます。
さらに、商品の絞り込みによって価格が大幅に下がるのであれば、多くの消費者が支持するのは当然です。

「高額商品の正しい売り方」については次の記事で紹介しています。

飲食業界も「わかりやすい商品」が大ヒット!

最近、飲食業界でも「わかりやすい商品」が目立ってきました。
全ての商品が280円均一のお店はその代表的な事例といえるでしょう。
また、1時間1,500円で「食べ飲み放題」を打ち出して人気を集めている店もあります。
注文した商品で価格が決まるのではなく、時間で決まるのです。
例えば、嫌いな上司から誘われた際、制限時間があることで利用しやすいという意見もありますね。



大きなチャンス!

販促活動を行なう際に、必ず意識していただきたいこと。
それこそが、わかりやすい商品づくりです。
消費者の視点で考えれば、「わかりにくい商品」ほど購入しづらいものはないということを認識しましょう。
また、もしあなたの業界の商品が「わかりにくい=当たり前」であれば、大きなチャンスです。
業界の中で革新的なサービスを生み出し、一人勝ちすることができるかもしれません。
あなたも「わかりやすい商品づくり」にチャレンジしてみませんか?